担当講師の独り言 #4

~だって、人間だもの:フジコ・ヘミング1931年12.5-2024年4.21~

 5月は、41名のリーダー・管理職の方とお会いすることが出来ました。
忙しい中、熱心に参加いただき感謝しております。ありがとうございました。  

皆さん真面目ですねー
研修期間だけのお付き合いですが「真面目君」「真剣さん」が服を着て出席されているのではないかと思ってしまいました。

 最近は、自己紹介の時に「参加にあたっての課題・学びたいテーマ」を発表していただき内容に入るようにしていますが、多くの方の関心が「部下のモチベーションに関して」でした。
確かに難しいテーマですよね。
自分より年配の部下の方、一回り以上年下のメンバー、契約社員、パートさんなど。
僕たちや、今の経営者・役員の方が仕事をしていた時と組織のメンバー構成が大きく違います。
経済環境も基本、右肩上がりで世の中がなんとなく浮かれていた時代でもないです。

 前の「独り言:悩める管理職に朗報」でも言いましたが、管理職に求められるものは
1.「組織の合計成果を高め続ける」となります。
  そのために 
2.メンバーが力を思う存分発揮し、かつ疲れないことが大切。
  そのために 
3.リーダーが謙虚さを持ってメンバーに接する。 

この「2.メンバーが・・・」で、
『メンバーの力を発揮させるためにマネージャー、リーダーがメンバーのモチベーションを高めるものである』
と考えておられるようです。

管理職の方はやはり「真面目君」「真剣さん」が多いようですね。

 堀 有伸さん(精神科医)が書かれた本に「日本的ナルシシズムの罪」があります。
その本の帯に
  「頼られたい」という病、消えない「甘えの構造」私達の民族的宿痾とは。
と書いてあります。
マネージャー・リーダーだけではなく多くの人が「~~すべき」に縛られ過ぎているのではないでしょうか。 
企業のマネージャーやリーダーはメンバーのモチベーションを高める人ではありません。
「メンバーの活動を成果に結びつける人」です。

 企業におけるモチベーションは「活動を通じ本人が高める」ものと僕は考えます。
企業で働く人はすべて「契約(本人の意思)」で働いています。 
マネージャー・リーダーもメンバーも「人間だから」失敗もあります。
だからこそ、謙虚に周囲の人たちに興味を持ち、不安であれば確認し、成功すれば一緒に喜び、失敗すれば一緒に考えれば良いのではないでしょうか。

 曹洞宗の開祖、道元は弟子の懐奘に「上に立つ人はお節介が大切」と言われたとあります。
お節介になるには「興味を持つ」ことだと考えます。
マネージャーは「仕事に興味」「メンバーに興味」(結果だけではなく)、
それが自身とメンバーのモチベーションにプラスになるはずです。